電話番号を変えずにキャリアを乗り換えたいなら「MNP」を利用しよう!
スムーズに乗り換えられるように、事前に準備することやメリット、注意点などを詳しく紹介していくよ。
「スマホのキャリアを乗り換える時のMNPってどういうもの?」
「MNPを使って乗り換えたいけど、手順は?」
など、MNPのことがよくわからずお悩みではありませんか?
先にお伝えすると、MNPとはMobile Number Portabilityの略で、電話番号を変えずにスマホのキャリアを他社に乗り換えられる制度のことです。
かつてはスマホのキャリアを乗り換えるのに、電話番号を変えなければなりませんでしたが、MNPのおかげで電話番号を持ち越せるようになりました。
MNPは、複雑な手続きも必要なく、誰でも簡単に利用することのできる便利な制度です。
しかし、本当に何の問題もなくMNPを使って乗り換えができるか心配な方は多いでしょう。
この記事では、MNPを利用して、トラブルや余計な手間なくラクラク乗り換えを進められるように、以下の内容をご紹介します。
この記事でわかること |
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冒頭でもお伝えしたとおり、MNPとは、電話番号を変えずにスマホのキャリアを他社に乗り換えられる制度のことです。
MNPという名称は、Mobile Number Portabilityという言葉に由来しており、「携帯電話番号ポータビリティ」「番号持ち運び制度」と呼ばれることもあります。
MNPを利用せずに現在のキャリアを解約し、他社キャリアと契約すると、今お使いの電話番号は使えなくなってしまいます。
「キャリアは乗り換えたいけど、電話番号は変えたくない…」
MNPは、そのような希望を叶えて、気軽に乗り換えを行いやすくしてくれる制度なのです。
かつては、MNP転出には手数料が必要でしたが、現在では無料で転出手続きを行えるようになりました。
2023年5月までは、MNPを使うために、転出元の携帯電話会社から10桁の番号を発行してもらった上で、転入先の携帯電話会社と契約手続きを進めることが必須でした。この番号を「MNP予約番号」といいます。
転出元・転入先の携帯電話会社によっては、2023年5月以降はMNP予約番号が不要となっています。
MNP予約番号について、詳しくは「MNP予約番号とは?取得方法や注意点をわかりやすく解説」でご確認ください。
2023年5月から、対応の携帯電話会社間での乗り換えで、MNP予約番号を発行しなくてもMNPによる乗り換えができるようになりました。
この場合、転入先の携帯電話会社での申し込みから手続きを開始できます。こうした仕組みを「MNPワンストップ」「(MNPの)ワンストップ方式」などといいます。
MNPワンストップについて、詳しくは「MNPワンストップとは?従来との違いをわかりやすく解説」でご確認ください。
MNPの概要はおわかりになったかと思いますので、続けてMNPを使った乗り換えの手順を説明します。
乗り換え手順には以下の2パターンがあります。
転出元(乗り換え元)・転入先(乗り換え先)の両方がMNPワンストップ対応済みのキャリアである場合は、より簡単なワンストップ方式の手順を参考にしてみてください。
転出元と転入先のどちらか一方でもMNPワンストップに対応していない場合は、ツーストップ方式の手順を参考に手続きを進めましょう。
なお、乗り換えや機種変更に際して気になることは、それぞれ下記の記事で紹介しています。こちらもぜひあわせてご覧ください。
「スマホ本体を安く買う4つの方法!月々の料金を抑える方法も解説」
「スマホの替え時はいつ?買い替えのサインや機種の選び方を解説」
「スマホの乗り換え手順を3ステップで解説!申し込みの準備や費用・注意点も紹介」
「SIMカードの入れ替えは自分でできる?方法や注意点を解説」
転出元・転入先のキャリアが、MNPのワンストップ化に対応している場合、乗り換え手順は以下の2ステップです。ワンストップ方式は、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといった4つのキャリアと一部のMVNOが対応しています。
MNP(ワンストップ)の手順 | |
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STEP① 転入先で契約手続き |
をご用意の上、転入先キャリアのWebサイトで乗り換え契約手続きを行います。 乗り換え先がahamoの場合は、以下からお手続きが可能です。
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STEP② 転入先回線の開通 |
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STEP②まで完了し、新しい回線の利用が開始されると、転出元の旧回線は自動的に解約となります。
SIMカードやeSIMについて、詳しくは下記の記事でそれぞれ紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
「SIMカードとは?基礎知識から選び方・交換方法までわかりやすく解説」
「eSIMとは?活用方法とメリット・デメリットをわかりやすく解説」
「eSIMの設定方法(iPhone/Android)は?利用開始までの流れを解説」
「eSIMの機種変更方法は?申し込みの手順や注意点を解説」
転出元・転入先のキャリアが、MNPのワンストップ化に対応していない場合、乗り換え手順は以下の3ステップです。
MNP(ツーストップ)の手順 | |
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STEP① 転出元でMNP予約番号を取得 |
転出元(乗り換え前)のキャリアでMNP予約番号を取得します。 予約番号は、各キャリアのWebサイト、電話、店頭で取得が可能です。 |
STEP② 転入先で契約手続き |
をご用意の上、乗り換え契約手続きを行います。(店頭またはオンライン)
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STEP③ 転入先回線の開通 |
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STEP③まで完了し、新しい回線の利用が開始されると、転出元の旧回線は自動的に解約となります。
なお、ahamoはオンライン受付のモバイルサービスで、自分で機種変更が行えます。詳しくは「ahamo(アハモ)は自分で機種変更できる!手続き方法や注意点を解説」でご確認ください。
MNP予約番号には15日間の有効期限があります。
オンラインで手続きを行う場合は、その実質的な有効期限がさらに短縮されてしまいます。
そのためSTEP①からSTEP③まで、できるだけ期間をあけずに進めるようにしましょう。
ここまでで、MNPを利用した乗り換え手続きの手順がおわかりになったかと思います。
しかし、なかには、
「あまり電話を使わないし、無理にMNPを使う必要もないかな?」
とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
実はMNPには以下のようにさまざまなメリットがあり、電話を使わない方にとっても便利な制度といえます。
MNPのメリット |
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ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1つ目のメリットは、電話番号の変更に伴う手間を省けることです。
MNPは、電話番号を持ち越すための制度なので、キャリアの乗り換え後も以前と同じ電話番号を使えます。それによって、次のような手間を省くことが可能です。
電話番号は単なる連絡先というだけでなく、会社に在籍する際や、サービスを利用する際の本人確認情報でもあります。
同じ電話番号を使えるということは、そういった登録情報をいちいち変更しなくても済むという意味でも大きなメリットです。
しかも、ワンストップ方式なら転入先の手続きで完結できるので、さらに手間を省くことができます。
2つ目のメリットは、特典を受けられる場合が多いことです。
多くのキャリアでは、MNPを使って転入してくれるユーザーに対して特典を用意しています。
キャリアや時期により異なりますが、MNPで乗り換えると、たとえば以下のような特典を受けられる可能性が高いです。
など
こうした特典を受けながら乗り換えられるのは、うれしいポイントです。
たとえば、ahamoの場合には、対象の契約で、以下のページで紹介しているキャンペーンが適用できます。
3つ目のメリットは、ワンストップ方式なら転入先での手続きのみで完結することです。
以前はMNPを使って乗り換えを行うために、以下のとおり、転出元と転入先双方での手続きが必須でした。
転出元:MNP予約番号取得
転入先:契約手続きと回線開通
しかし、2023年5月より、キャリア(サブブランドやオンライン専用プラン含む)や一部の格安SIMでは、転出元でMNP予約番号取得をしなくても契約手続きができるようになっています。
転出元キャリアと転入先キャリアの両方がこうしたワンストップ方式に対応済みなら、手続きが1か所(転入先)のみで完結するため、さらに手軽にMNPを利用できます。
4つ目のメリットは、事務手数料が無料なことです。
最近では以下のような料金の撤廃が進んでいます。
このように、事務手数料やMNP利用に伴う解約金が廃止されており、ハードルなく自由に乗り換えしやすくなってきています。
MNPにかかる料金が心配だった方も、安心してMNPを利用しましょう。
手順がわかり、早速MNPで乗り換える手続きを開始したいところかもしれません。
しかし、スムーズな乗り換えのためには、以下の注意点についても把握しておくことが大切です。
MNPを利用する際の注意点 |
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こうした注意点を解消するための準備をしておくことで、よりスムーズにMNPを利用できるようになります。
準備の内容は「5.MNPの手続き前チェックリスト!」にてチェックリスト形式でご紹介しますので、「たくさんあって何をすれば良いかわからない」という方はぜひご活用ください。
まずは注意点について詳しく解説していきます。
従来の(ツーストップ)方式でMNPの手続きを行う場合、転出元のキャリアでMNP予約番号を取得する必要があります。
このMNP予約番号には15日間という有効期限があり、期限内に乗り換え手続きを完了させないと予約番号が無効となってしまうのです。
有効期限に間に合わなくても、予約番号が使えなくなるだけで、料金を課されたりする心配はありません。
ただ、再度予約番号を取得しなければならず、二度手間になってしまいます。
余計な手間を増やさないために、MNP予約番号の有効期限を把握し、期限内に転入先回線の開通まで完了させるようにしましょう。
なお、乗り換え先の携帯電話会社によっては、有効期限の残り日数に条件を設定している場合があり、さらに早く申し込みが必要になる場合もあります。番号を取得しだい、すみやかに申し込みを進めるようにしましょう。
MNP予約番号の有効期限 | |
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転入先の契約手続きを 店頭で行う場合 |
15日間 |
転入先の契約手続きを オンラインで行う場合 |
各キャリアにより異なるが、多くの場合15日間より短くなる。 |
オンラインで転入先の回線契約手続きを行う場合は、実質的な有効期限が15日間より短くなることがほとんどなので、必ず期限を確認した上でMNPの手続きに取りかかりましょう。
転入先での開通手続き後は、転入元の回線は自動的に解約されます。MNPで乗り換えをする場合、転入元での解約手続きは必要がありません。
利用者自身で解約すると、MNPができなくなるので注意しましょう。MNPで電話番号を引き継いで乗り換えを考えている方は、解約手続きは行わないようにしてください。
MNP予約番号の取得や転入先回線の開通は、各キャリアが設定している受付時間内に行う必要があります。
特にオンラインで手続きをされる方は注意が必要で、オンラインでも開通手続きに関しては受付時間が設定されていることがほとんどです。
たとえばahamoの場合、開通の手続きが可能なのは、午前9時〜午後9時です。
また、MNP予約番号の取得についても、オンラインで申請する時間帯によっては、番号が発行されるのが翌日になる場合があります。
余計な時間ロスを発生させないためには、転出元・転入先の手続き受付時間を事前に確認し、受付時間に応じた手続きのスケジュールを立てておくとスムーズです。
MNPを利用すると、電話番号は引継げますが、キャリアメールまでは引継ぐことができません。
メールアドレスを変更せず、キャリアメールを引継ぐためには、別途サービスの申し込みが必要です。
たとえばドコモの場合、「〜@docomo.ne.jp」のメールアドレスを、他社キャリアやahamoでも利用するためには、「ドコモメール持ち運びサービス」をドコモ回線の解約から31日以内に契約する必要があります。
基本的には、こうしたサービスを別途契約しなければ、転出元のキャリアメールは使えなくなってしまいます。
キャリアメールの利用を継続したい場合は、事前にキャリアメール持ち運びサービスの利用方法を確認し、忘れずに契約をしてください。
転入先の回線で、お手持ちのスマホが使えるとは限りません。
これは、「現在使用中のスマホを転入先の回線でも引続き使いたい」という場合の注意点です。
スマホは、機種によって対応している周波数帯が異なります。もし転入先回線の周波数帯に、使用しているスマホが対応していない場合、そのスマホは転入先では利用できません。
また、SIMロックがかかった状態のスマホも、他社キャリアの回線を利用することができません。
そのため、事前に以下の準備が必要です。
MNPを利用する場合、転出元キャリアと転入先キャリアで、契約者名義が同じでなくてはなりません。契約者の名義が異なると、基本的に転入先の回線を契約することができないためです。
たとえば、「父親名義で契約していたA社の回線から、MNPを使ってB社に乗り換え、B社は息子名義で契約する」ということはできません。
そのため、転出元キャリアの契約者とは別の名義で転入先キャリアを契約したいのであれば、乗り換え手続きをはじめる前に、転出元で名義変更を行う必要があります。
これはMNPの利用に限ったことではありませんが、キャリアを乗り換えると、乗り換え前の回線と紐づくキャリアポイントが消滅する可能性があります。
たとえば、ドコモの提供するポイントサービス「dポイント」は、dアカウントを持っていない場合、解約と同時に失効してしまいます。
各キャリアの提供するポイントは、さまざまなお店やサービスの支払いに使えることが多く、その価値はお金と同じといえます。
大切なポイントを無闇に消滅させることのないよう、事前に転出元のキャリアポイントの引継ぎ方法を確認し、対応しておきましょう。
また、ポイントの引継ぎができない、あるいはあえてしない場合は、乗り換え前にポイントを使い切っておきましょう。
これもMNPに限ったことではありませんが、回線を乗り換えると、転出元で受けていた割引が適用されなくなってしまいます。
「解約するのだから、割引が適用されなくても問題ないのでは?」
と思われるかもしれませんが、以下のような割引を受けている場合、割引が適用されなくなることで、乗り換え後に自分自身や家族に影響が出てきます。
こうした割引がなくなることで受ける影響を最小限にとどめるために、機種代金の残債や、セットで契約しているサービスの料金の支払いが乗り換え後どう変わるかを確認しておくことが重要です。
また、家族の利用料が変動する場合は、事前に家族に乗り換えの了承を得ることも大切です。
SIMカードにはサイズの異なる3つの種類(+eSIM)があり、使用中のスマホが対応していないサイズのSIMは利用できません。
たとえば、nanoSIM対応のスマホではmicroSIMも標準SIMも使えません。
そのため、現在使っているスマホを転入先キャリアでも引続き使う場合は、スマホが対応しているサイズのSIMカードを転入先から提供してもらう必要があります。
適切なサイズのSIMカードを提供してもらうため、事前に今のスマホが対応しているSIMカードのサイズを確認しておきましょう。
MNPに限ったことではありませんが、キャリアを乗り換えると、転出元のキャリア決済を使用できなくなります。
そのため、以下に思い当たる場合は、注意が必要です。
支払いのトラブルや、予期せぬサービス停止といった事態を避けるために、ネットショップやサービスの支払い方法は事前に変更しておきましょう。
先ほどご紹介した注意点を解消するためには、事前の準備が肝心です。
ここでは、MNPを使った乗り換え手続きをはじめる前に、やっておくべきことや確認しておくべきことをチェックリスト形式でまとめてご紹介します。
MNPの手続きをはじめる前にやるべき準備チェックリスト |
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これらを事前に行っておけば、MNPによる乗り換え手続き開始後に
「手続きをやり直さなければならなくなった…」
「乗り換えでポイントや料金を損してしまった…」
といった状況に陥ることを回避できます。
面倒に感じるかもしれませんが、この準備さえできていれば、実際の手続きは簡単に進められます。
MNPによる乗り換えでスマホ料金を見直すなら、ドコモのモバイルサービス「ahamo」がおすすめです。
ahamo では30GBが利用できるシンプルワンプランで、迷わずプランが契約できます。ahamoの主なメリットは、次のとおりです。
ahamoでは、月額1,980円(税込)の「大盛りオプション」を追加すれば、プラス80GBで合計毎月110GB利用することも可能です。ほかの機器へ通信をシェアできる「テザリング」も無料で利用できるため、Wi-Fi代わりに使用することも選択肢になるかもしれません。
気になる方は「ahamo(アハモ)はWi-Fiの代わりになる?テザリングの活用法も紹介」をあわせてご覧ください。
また、ahamo では5分以内の国内通話は何度でも無料※3です。家族や友人とのちょっとした連絡は無料通話でカバーできます。
さらに、海外ローミングも無料※4※5※6で利用可能です。海外ローミングは海外91の国・地域で利用でき、日本人の渡航先約98%※7のエリアをカバーしています。海外ローミングをオンにするだけで、今のスマホをそのまま海外でも使用できるのは便利でしょう。
なお、ahamoの契約とあわせてスマホの購入が可能で、対象の機種なら「5G WELCOME割」などのキャンペーン適用でおトクに購入できます。
ahamoのキャンペーン情報については、こちらをご覧ください。
ahamoのメリット・デメリット、注意点、評判などについて、詳しくは下記の記事で紹介しています。
「ahamo(アハモ)のメリットと気になる点を比較!プラン・サービスの特徴を徹底解説」
「ahamo(アハモ)の注意点は?乗り換える前に知っておくべきポイントを紹介」
「ahamo(アハモ)に乗り換えるタイミングはいつが良い?料金や手順も解説」
「ahamo(アハモ)は「めんどくさい/やめとけ」って本当?おすすめできるメリットとは」
「ahamo(アハモ)の評判は?口コミからわかるメリットや注意点も紹介」
「ahamo(アハモ)は自分で機種変更できる!手続き方法や注意点を解説」
「ahamo(アハモ)は解約金・2年縛りなし!乗り換えの疑問や手順をわかりやすく解説」
海外ローミングについて、詳しくは「データローミング(海外ローミング)とは?オンオフの設定方法や利用時の注意点を解説」でご確認ください。
MNPがどういうものか、おわかりになったでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
MNPを利用した乗り換え手順は、以下のとおりです。
MNPには以下のようなメリットがあります。
MNPのメリット |
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一方で、利用する際には以下のことに注意が必要です。
MNPを利用する際の注意点 |
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今回の記事を参考にトラブルなくMNPを使った乗り換えを行いましょう。
■監修者情報
大岩 俊之(おおいわ としゆき)
理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。