「1つのeSIMを複数のスマホで共有して使いたい」「複数のeSIMを1台のスマホで使いたい」と考えている人もいるかもしれないね。eSIMでこうした使い方ができるのか、詳しく見ていこう!
eSIMは、スマホに内蔵された本体一体型のSIMです。本体にダウンロードして利用できるため、物理的なSIMカードのような差し替え作業が不要で、自宅にいながらオンラインで契約が完結します。
この記事では、eSIMに関する以下の疑問について解説します。
結論、1つのeSIMを複数のスマホで共有して同時に使うことはできません。
eSIMは、スマホ本体に内蔵されたチップに加入者情報のデータ(プロファイル)をダウンロードして使用します。1つのeSIMを複製するような使い方はできません。
別のスマホで使いたいときは、eSIMを転送または再発行する必要があります。ただし、転送や再発行をすると、今まで使っていたスマホのeSIMは使えなくなります。
eSIMをほかのスマホに移し替える方法は、大きく以下の2つです。
eSIMをほかのスマホに移し替える方法 |
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一部の機種では、eSIMの転送機能を利用してスマホ間で直接eSIMを転送できます。機能を利用できるかどうかは、スマホのOS(iPhoneはiOS、AndroidスマホはAndroid OS)や製品によって異なります。
転送機能を利用できない場合は、eSIMを再発行して移し替えましょう。
eSIMについて、詳しくは下記の記事でご確認ください。
「eSIMとは?メリット・デメリットや活用方法をわかりやすく解説」
「eSIMの機種変更方法は?申し込みの手順や注意点を解説」
「eSIMの設定方法(iPhone/Android)は?利用開始までの流れを解説」
eSIMの転送機能として、iPhoneでは「eSIMクイック転送」、Androidでは「eSIM転送」が利用できます。それぞれの手順を以下で紹介します。
iPhone同士の場合、携帯電話会社で対応があれば、iOS 16以降・iPhone 11以降で「eSIMクイック転送」が利用できます※。
eSIMクイック転送の手順は次のとおりです。新しいiPhoneと今まで使っていたiPhone、それぞれで操作を進めましょう。
iPhoneのeSIMクイック転送の手順 | |
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STEP① | 新しいiPhoneで「設定」>「モバイル通信」>「モバイル通信プランを追加」を選択 |
STEP② | 転送するモバイル通信プランを選択 |
STEP③ | 今まで使っていたiPhoneの画面に表示される指示内容を確認し、転送処理を確定 |
STEP④ | 新しいiPhoneに表示される「モバイル通信プランの設定を完了する」バナーをタップ |
STEP⑤ | 通信事業者のWebページに自動転送されるので、eSIMの転送手続きを進める |
Android同士の場合は、携帯電話会社で対応があれば、Google Pixelなどの一部機種で「eSIM転送」が利用できます。
新旧のスマホを近づけて、以下の手順で操作します。
AndroidのeSIM転送の手順 | |
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STEP① | 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」を選択 |
STEP② | 「他のデバイスからSIMを移行する」をタップ |
STEP③ | 画面の案内に沿って転送処理を完了させる |
eSIMの転送機能が利用できない場合は、新しい端末でeSIMを再発行します。
たとえば、ahamoでは、以下の手順でeSIMの再発行を申請できます。
eSIMの再発行の手順 | |
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STEP① | 手続きサイトまたはアプリを開き、ahamoにログイン |
STEP② | メニューから「その他の手続き」>「手続きへ」を選択 |
STEP③ | 「新しい機種(持ち込み)でeSIM発行」を選択 |
STEP④ | eSIM情報(32桁のEID)を入力 |
STEP⑤ | 入力内容を確認し、注文を完了させる |
契約中の携帯電話会社の公式サイトなどを確認し、正しい手順で手続きを進めましょう。
なお、EIDとは、eSIM利用時に必要となる32桁の識別番号のことで、以下の手順で確認できます。
多くの機種では、複数のeSIMを1台のスマホに登録できます。
また、最新の機種では、2つのeSIMを1台のスマホで同時に有効化できるものもあり、これらは「デュアルeSIM」などと呼ばれます。
2つのeSIMを同時に有効化することで、メッセージの送受信や通話など、それぞれの操作にどちらのeSIM(回線)を使うかを選択できます。ただし、多くの機種では、片方の回線で通話している間はもう一方の回線が不通になり、同時には出られません。
デュアルeSIMは、eSIM対応機種のうち、さらに限られた一部の機種で利用可能です。
たとえば、iPhone、Google Pixel、Samsung Galaxyの場合、2025年9月時点では以下の機種がデュアルeSIMに対応しています。
ブランド | 対応機種 |
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iPhone | iPhone 13以降 |
Google Pixel | Google Pixel 7シリーズ以降 |
Samsung Galaxy | Galaxy S24シリーズ以降 Galaxy Z Flip6以降 Galaxy Z Fold6以降 |
「電話番号が2つ欲しい」「予備の回線が欲しい」といった場面では、通常のデュアルSIM(SIMカード+eSIMなど)と同様に、デュアルeSIMが役立ちます。
そのほかデュアルeSIMは、特に以下のような場面で便利に活用できます。
デュアルeSIMが特に便利な場面 |
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2回線目でもSIMの入れ替えが不要なeSIMで開通まで済ませたい場合は、デュアルeSIMが便利です。
また、海外旅行のときに現地で使えるSIMを入れ替え不要のeSIMで追加したいときも、デュアルeSIMが活用できます。
そのほか、「デュアルSIMで使いたいけど、SIMカードスロットはいつでも使えるように空けておきたい」と考えているなら、普段使う2つの回線をeSIMで開通しておくのも便利な使い方です。
デュアルSIMについて、詳しくは下記の記事でご確認ください。
「デュアルSIMとは?活用方法とメリット・注意点を紹介」
「デュアルSIMにするとバッテリー消費は激しくなる?電池持ちを改善できる対策も紹介」
デュアルeSIMで利用するための手順は、たとえば次のとおりです。
デュアルeSIMで利用するための手順 | |
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STEP① | 「eSIM」を選んで携帯電話会社に「新規契約」や「他社からの乗り換え」で申込み |
STEP② | 申込み完了後にeSIMプロファイルをダウンロード |
STEP③ | 開通手続きなどを実施して1回線目を利用開始 |
STEP④ | 2回線目も同様の手順で、同じまたは別の携帯電話会社と契約して利用を開始する |
1回線目をまだ契約していない場合は、申込みから初期設定まで進めて利用を開始します。さらに2回線目も同様に手続きすれば、デュアルeSIMとしての利用を開始できます。
利用開始後は、2つの電話番号で同時待ち受けができ、SIMを切り替えて通信を利用することも可能です。
携帯電話会社の乗り換え手順について、詳しくは下記の記事でご確認ください。
「eSIMで他社に乗り換える方法は?メリット・注意点や切り替え方法も解説」
「スマホの乗り換え手順を3ステップで解説!申し込みの準備や費用・注意点も紹介」
「MNPとは?携帯電話会社の乗り換え手順やメリット・注意点をわかりやすく解説」
「MNPワンストップとは?従来との違いをわかりやすく解説」
「MNP予約番号とは?WEB・電話での取得方法や注意点を詳しく解説」
一部のスマホでは、3つ以上のeSIMをダウンロードして保持しておくことができます。
ただし、その場合も、デュアルeSIM非対応であれば、一度に有効化できるeSIMは1つまでです。また、デュアルeSIM対応でも、一度に有効化できるのは基本的に2回線までとなります。
たとえば、iPhoneのeSIM対応機種(XS/XR以降)は、8つ以上のeSIMを登録して管理することが可能です。
ただし、一度に有効化できるのは、デュアルeSIM非対応のiPhone 12以前では1つまで、デュアルeSIM対応のiPhone 13以降は2つまでとなります。
eSIMを新たに契約するなら、ドコモのモバイルサービス「ahamo」がおすすめです。
ahamoは月額2,970円(税込)※1で30GBが使えるシンプルワンプランなので、プラン選びで迷わずにスマホを利用できます。ahamoの主なメリットは、次のとおりです。
「大盛りオプション」に加入すれば毎月合計110GBの利用も可能です。ギガを気にせず気兼ねなく使いたい人も、たっぷり動画やSNSが楽しめます。
パソコンやタブレットなどに通信をシェアできる「テザリング」も無料で利用でき、外出先でのWi-Fiとしての利用はもちろん、自宅のWi-Fi代わりとしても活用が可能です。
ahamoでテザリングを活用する方法や110GBでできることについては、下記の記事をご確認ください。
「100GB以上あればどのくらい使える?用途別の目安やデータ利用量の確認方法を紹介」
「ahamo(アハモ)はWi-Fiの代わりになる?テザリングの活用法も紹介」
また、ahamoでは5分以内の国内通話は何度でも無料※3です。家族や友人とのちょっとした連絡は無料通話でカバーできます。
そのほかahamoでは、海外ローミングも無料※4※5※6で利用可能です。海外91の国・地域で海外ローミングが利用でき、日本人の渡航先約98%※7のエリアをカバーしています。海外ローミングをオンにするだけで、今のスマホを海外でもそのまま使用することが可能です。
海外ローミングや海外でスマホを使う方法は、下記の記事で詳しく紹介しています。
「データローミング(海外ローミング)とは?オンオフの設定方法や利用時の注意点を解説」
「海外でスマホを使う方法4つ|状況に応じて賢く選べば現地でも快適!」
「海外でスマホを使うときの設定方法は?高額請求を避けるために必要なことを解説」
ahamoのメリットや注意点、乗り換えのタイミングについて、詳しくは下記の記事でご確認ください。
「ahamo(アハモ)のメリットと気になる点を比較!プラン・サービスの特徴を徹底解説」
「ahamo(アハモ)の評判は?口コミからわかるメリットや注意点も紹介」
「ahamo(アハモ)に乗り換えるタイミングはいつが良い?料金や手順も解説」
「ahamo(アハモ)の注意点は?乗り換える前に知っておくべきポイントを紹介」
「ahamo(アハモ)は「めんどくさい/やめとけ」って本当?おすすめできるメリットとは」
なお、ahamoへ申込む際に店頭サポートを希望される場合は、別途有料のサポートをお申込みいただく必要があります※8。
eSIMの複数台での利用やデュアルeSIMについておわかりになったでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
1つのeSIMを複数のスマホで共有することはできず、別のスマホで利用する場合は、eSIMの転送や再発行が必要となります。
一方で、デュアルeSIM対応機種であれば、複数のeSIMを1台のスマホで同時に有効化できます。
eSIMの使い方を知り、ご自身の希望する利用方法に役立てていきましょう。
■監修者情報
大岩 俊之(おおいわ としゆき)
家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。