海外SIMに入れ替えるタイミングは、現地に到着した後がおすすめだよ!設定手順を含めて、海外SIMの利用を開始するまでの流れを見ていこう。
現在販売中の多くのスマホは、2つのSIMをセットできる「デュアルSIM」対応です。「SIMカード+eSIM」や「eSIM+eSIM」の組み合わせに対応しているものが多いため、日本と海外で別のSIMカードを使いたい場合は、SIMカードの入れ替えが必要です※。
この記事では、海外SIMに入れ替えるタイミングや、入れ替え・初期設定の手順、海外SIMを選ぶメリット・デメリットなどを紹介します。
海外SIMに入れ替えるタイミングは、現地に到着した後がおすすめです。
多くの海外SIMでは、「3日間」「7日間」などの利用可能期間があらかじめ設定されており、入れ替え後にアクティベーション(SIMを有効化して回線を開通するための初期設定)を行うと、その時点から利用期間のカウントが始まります。
そのため、海外SIMの利用開始前から利用期間が消費されるのを防ぐためにも、現地到着後に入れ替えやアクティベーションを行いましょう。
また、日本で契約中のSIMがセットされていない間は、日本の通信回線を利用できません。出発直前までは日本の通信回線を利用する場面があるため、その点でも入れ替えのタイミングは現地到着後が望ましいです。
なお、飛行機に搭乗する際は、スマホの「機内モード」をオンにしておきましょう。機内モードがオフになっていると、現地到着時に意図せず日本の通信回線で通信が発生し、海外ローミングによる課金が発生する可能性があります。
海外SIMを使うための事前準備からSIMの入れ替え・初期設定までの手順は、次のとおりです。
海外SIMへの入れ替え・初期設定の手順 | |
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STEP① | SIMロック解除を行う |
STEP② | 海外SIMを購入する |
STEP③ | 現地でSIMを入れ替える |
STEP④ | アクティベーションを行う |
STEP⑤ | APN設定をする |
初期設定まで完了すると、現地で通信が使えるようになります。それぞれの手順を以下で詳しく見ていきましょう。
スマホによっては、SIMロックがかかっていて海外SIMが使えない場合があります。
SIMロックは、自社の回線でのみスマホを使用できるように、携帯電話会社が端末にロックをかけるものです。SIMロックがかかっている場合、海外SIMで現地の回線を使用するためには、SIMロック解除の手続きが必要です。
SIMロックの有無は、スマホの設定アプリから確認できます。
SIMロックの解除方法について、詳しくは「SIMロック解除とは?確認方法や申し込み方法をわかりやすく解説」でご確認ください。
2021年10月以降に発売されたスマホには原則SIMロックがかかっていませんが、2021年9月以前に発売の機種は、SIMロックがかかっていて解除が必要なことがあります。海外SIMを購入する前に確認しておきましょう。
海外SIMは、ECサイト(通販サイト)や家電量販店などで購入可能です。また、現地の空港、コンビニ、携帯電話ショップなどでも販売されています。
海外SIMを購入する際には、以下の項目を確認し、旅行先での用途や滞在期間に合ったものを選びましょう。
海外SIMの購入で確認する主な項目 |
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用途によって異なりますが、海外旅行で必要なギガ数の目安は、1日あたり300MB~1GB程度です。詳しくは「海外旅行では何ギガ必要?1日・1週間の目安や消費ギガの節約方法も紹介」でご確認ください。
海外SIMの選び方、購入場所などについては、「海外SIMとは?購入方法や選び方・使い方をわかりやすく紹介」でも紹介しています。
現地に到着したら、SIMを入れ替えます。物理的なSIMカードを使う場合は、日本で使っていたSIMカードを取り出し、海外用のSIMカードに差し替えましょう。
海外でeSIMを使う場合は、QRコードなどを使って登録し、スマホの設定で通信回線の切り替えを行います。デュアルSIM対応の場合、SIMカードの入れ替えが不要な場合もあります。
以下では、物理的なSIMカードを入れ替える手順を紹介します。
SIMカードを入れ替える手順 | |
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STEP① | 必要なものを手元に準備する(スマホ、海外SIM、SIM取り出し用ピンなど) |
STEP② | SIMカードを台紙から取り外す |
STEP③ | SIMカードトレイを開ける![]() |
STEP④ | SIMカードを入れ替える![]() |
現地でSIMカードを入れ替える際はSIM取り出し用ピンが必要となるので、忘れずに持参しましょう。SIM取り出し用ピンは、基本的にスマホ購入時の付属品に含まれています(海外SIMに付属していることもあります)。
機内などで慌てて作業を行うとSIMカードを紛失する恐れがあるため、空港のベンチなど落ち着いて作業できる場所で入れ替えを行ってください。取り出したSIMカードは帰国後に必要となるため、なくさないように保管しておきましょう。
SIMカードの入れ替え方法について、詳しくは「SIMカードの入れ替えは自分でできる?方法や注意点を解説」で紹介しています。
回線を開通させるためにアクティベーションが必要な場合があります。アクティベーションは、SIMを有効化して回線を開通するための初期設定です。
購入した海外SIM付属のガイドや提供元の案内にしたがい、アクティベーションを実行しましょう。なお、商品によってはアクティベーションが不要なものもあります。
海外SIMの回線を使用するために、端末側のAPN設定が必要な場合があります。
iPhoneの場合は、ブラウザ上から海外SIMのサービスで提供されている構成プロファイルをダウンロードすることで設定します。Androidの場合は、海外SIMのAPN情報を本体に入力して設定します。
いずれもAPN設定の手順は、海外SIM付属のガイドなどで確認可能です。なお、海外SIMと機種の組み合わせによっては、APN設定が不要の場合もあります。
初期設定が完了すると、現地での通信が使えるようになります。ブラウザを開くなどして、通信が使えるか確認してみましょう。
海外への旅行や出張から帰国する際に、海外SIMから日本のSIMに戻すタイミングも確認しておきましょう。
海外SIMから日本で使っていたSIMに入れ替えるタイミングは、日本の空港に到着した後がおすすめです。
日本に着いた後にSIMカードを入れ替えることで、日本で契約中のキャリアでの「海外ローミング」が発生する心配が少なくなります。
海外ローミングとは、日本で契約している携帯電話会社を介して、渡航先の携帯電話会社の回線を使って通信できるサービスです。海外ローミングでは、通信量に応じた料金が発生することもあり、高額な請求が発生するリスクも少なからずあります。
海外ローミングによる課金が発生するのを避けるためにも、日本で使っていたSIMに戻すのは、日本に到着した後のタイミングにするのが安心です。
海外ローミングについて、詳しくは「データローミング(海外ローミング)とは?オンオフの設定方法や利用時の注意点を解説」をご確認ください。
海外での通信手段として海外SIMを選ぶメリットを以下で見ていきましょう。海外SIMの主なメリットは、以下のとおりです。
海外SIMを利用するメリット |
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海外での通信手段としては、海外SIMのほかに、海外用のWi-Fiルーターをレンタルする方法もあります。
海外用のWi-Fiルーターは、空港などで受け取り・返却ができるなど便利な点もありますが、荷物が増えることはデメリットです。常に持ち歩くルーター本体に加えて、充電用のケーブルやアダプタなども必要となります。
一方、海外SIMであれば、現地ではスマホひとつを持ち歩くだけで通信が可能です。
海外での通信手段の比較について、詳しくは「海外でスマホを使う方法4つ|状況に応じて賢く選べば現地でも快適!」でご確認ください。
海外SIMは、商品の選択肢が多いことも魅力のひとつです。
特に日本人が渡航することが多い国・地域では、幅広い種類の海外SIMが販売されています。データ容量・利用期間の選択肢が多く、滞在期間や現地で使う通信量に合わせて選べます。
また、ヨーロッパ、アジア、東南アジアなど複数の国で使える海外SIMもあります。複数の国を巡るときは、こうした通信手段を選んでおくと便利です。
海外SIMの選び方、購入場所などについて、詳しくは「海外SIMとは?購入方法や選び方・使い方をわかりやすく紹介」でご確認ください。
海外SIMは、格安で購入できる商品もあり、場合によってはWi-Fiルーターのレンタルなどより料金を安く抑えられることがあります。長期滞在で費用を抑えたいときにも、海外SIMは通信手段の候補のひとつになります。
ただし、安さだけで商品を選ぶと、滞在中にデータ容量が足りなくなり、通信速度が低速になるなど、快適にスマホを利用できない場合もあります。
そのため、海外SIMを選ぶ場合は、海外でのスマホの用途を踏まえて適切なデータ容量を確認し、上限を超えた場合の通信速度なども把握したうえで適切なものを購入しましょう。
海外SIMを利用するデメリットもあわせて確認していきましょう。主なデメリットは、以下のとおりです。
海外SIMを利用するデメリット |
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海外SIMを利用するためには、SIMカードの入れ替え、アクティベーション、APN設定などの初期設定が必要です。物理的なSIMカードの入れ替えなどに慣れていないと、手間取ることもあるかもしれません。
海外SIMを日本にいる間に購入する場合は、事前に同梱のガイドなどに目を通しておくと現地でスムーズに設定ができるので、準備しておきましょう。
海外SIMに入れ替える場合、海外に滞在している間は、日本の電話番号への着信が受けられなくなります。家族や友人など、連絡を取る可能性のある相手には、事前に伝えておきましょう。
また、日本で契約している携帯電話会社のキャリアメール(「~@docomo.ne.jp」のアドレスなど)を利用している場合は、該当のアドレス宛のメールも受信できなくなります。フリーメール(「~@gmail.com」などのアドレス)であれば受信できるため、事前に確認しておきましょう。
なお、デュアルSIM対応スマホの場合は、日本でのSIMをセットしたまま、海外SIMを同時にセットできる場合があります。
日本のSIMがセットされた状態であれば、スマホのローミング設定をオンにするだけで、海外にいるときも日本で使っている電話番号への着信を受けることが可能です。
eSIMの利用方法やデュアルSIMについて、詳しくは下記でご確認ください。
「eSIMとは?メリット・デメリットや活用方法をわかりやすく解説」
「海外旅行にはeSIMがおすすめ!メリット・デメリットや利用手順を解説」
「デュアルSIMとは?活用方法とメリット・注意点を紹介」
「デュアルSIMにするとバッテリー消費は激しくなる?電池持ちを改善できる対策も紹介」
キャリアメールについては「キャリアメールとは?メリット・デメリットや持ち運びサービスを解説」で紹介しています。
海外旅行で、スマホひとつで通信するなら、携帯電話会社の海外ローミングを利用する方法もあります。海外ローミングは、日本で契約している携帯電話会社を介して、渡航先の携帯電話会社の回線を使って通信するサービスです。
海外ローミングなら、日本で使用しているSIMのまま、入れ替え不要で現地でも通信できます。
海外ローミングを利用するなら、スマホの契約は海外ローミングが無料※1※2※3で利用できるahamoへの乗り換えがおすすめです。
ahamoは、海外91の国・地域で海外ローミングが利用でき、日本人の渡航先約98%※4のエリアをカバーしています。海外ローミングをオンにするだけで、今のスマホを海外でもそのまま使用することが可能です。
また、ahamoはeSIMにも対応※5していて、今のSIMカードやeSIMをお使いのまま、eSIMで回線を追加することもできます。
そのほかahamoの主なメリットは、次のとおりです。
ahamoは各種サービスがひとつに盛り込まれた月額2,970円(税込)※6で30GBが使えるシンプルワンプランです。プラン選びで迷わずにスマホを利用できます。
「大盛りオプション」に加入すれば毎月合計110GBの利用も可能です。ギガを気にせず気兼ねなく使いたい人も、たっぷり動画やSNSが楽しめます。
パソコンやタブレットなどに通信をシェアできる「テザリング」も無料で利用できます。外出先でのWi-Fiとしての利用はもちろん、自宅のWi-Fi代わりとしても活用が可能です。
ahamoでテザリングを活用する方法や110GBでできることについては、下記の記事をご確認ください。
「100GB以上あればどのくらい使える?用途別の目安やデータ利用量の確認方法を紹介」
「ahamo(アハモ)はWi-Fiの代わりになる?テザリングの活用法も紹介」
また、ahamoでは5分以内の国内通話は何度でも無料※8です。家族や友人とのちょっとした連絡は無料通話でカバーできます。
データローミングなどの設定方法は、「海外でスマホを使うときの設定方法は?使えないときの対処法も紹介」で詳しく紹介しています。
ahamoのメリットや注意点、乗り換えのタイミングについて、詳しくは下記の記事でご確認ください。
「ahamo(アハモ)のメリットと気になる点を比較!プラン・サービスの特徴を徹底解説」
「ahamo(アハモ)の評判は?口コミからわかるメリットや注意点も紹介」
「ahamo(アハモ)に乗り換えるタイミングはいつが良い?料金や手順も解説」
「ahamo(アハモ)の注意点は?乗り換える前に知っておくべきポイントを紹介」
「ahamo(アハモ)は「めんどくさい/やめとけ」って本当?おすすめできるメリットとは」
なお、ahamoへ申し込む際に店頭サポートをご希望される場合は、別途有料のサポートをお申込みいただく必要があります※9。
海外SIMに入れ替えるタイミングはおわかりになったでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
海外SIMに入れ替えるタイミングは、現地に到着した後です。海外SIMの事前準備から入れ替え・初期設定までの手順は、次のとおりです。
海外SIMへの入れ替え・初期設定の手順 | |
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STEP① | SIMロック解除を行う |
STEP② | 海外SIMを購入する |
STEP③ | 現地でSIMを入れ替える |
STEP④ | アクティベーションを行う |
STEP⑤ | APN設定をする |
海外SIMを利用するメリット・デメリットとしては、以下が挙げられます。
海外SIMを利用するメリット |
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海外SIMを利用するデメリット |
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なお、海外SIMを利用するほか、スマホひとつを持ち歩くだけで通信できる方法として、海外ローミングが挙げられます。ahamoをはじめ携帯電話会社の海外ローミングを利用すると、日本のSIMのまま、簡単な初期設定で現地でも通信が使えます。
ご自身に合った通信手段で、海外でも通信を利用していきましょう。
各旅行先でスマホを使う方法は、下記の記事をぜひあわせてご確認ください。
「韓国旅行でスマホを使う方法は?通信手段や設定を解説」
「台湾旅行でスマホを使う方法は?通信手段や設定を解説」
「アメリカ旅行でスマホを使う方法は?通信手段や設定を解説」
「ハワイ旅行でスマホを使う方法は?通信手段や設定を解説」
■監修者情報
大岩 俊之(おおいわ としゆき)
家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。