副回線サービスは、通信障害などが原因で特定のスマホ回線が使えないときに備えるためのサービスだよ!
副回線サービスについて、メリットや使い方をチェックしていこう!
「副回線サービス」は、万が一の通信障害や災害に備えて、予備の回線を追加できるサービスです。いざというときに役立つ回線を手軽に追加できます。
副回線サービスは具体的にはどんなサービスなのか、疑問に思っている人もいるかもしれません。
この記事では、副回線サービスとは何か、利用シーン、メリット・デメリットを一挙に紹介します。副回線サービスはご自身にとって必要なサービスなのか、ぜひチェックしていきましょう。
まずは、副回線サービスがどのようなものか、基本を押さえておきましょう。
ここでは、副回線サービスの概要と仕組み、サービスを提供しているキャリアについて紹介します。
冒頭でもお伝えしましたが、副回線サービスとは、普段使っているスマホの回線がつながらなくなった場合に備えて、サブの回線を提供するオプションサービスのことです。
サブとなる副回線は、主回線のサービス提供元のキャリアとは別のキャリアが提供します。
ドコモの副回線サービスでは、普段ドコモ回線(ahamoも含みます)を使われているお客さまに対して、KDDIの回線を副回線として提供しています。
これにより、万が一ドコモの回線が使えなくなっても、KDDIの回線に切り替えることで、
「スマホで連絡が取れない」
「決済アプリや電子チケットが使えない」
といった事態に備えることができます。
スマホ回線は、つながるのが当たり前ではありますが、トラブルや災害によって利用できなくなる可能性もゼロではありません。
副回線サービスは、そのような「もしも」に備えられるオプションサービスといえます。
【注意!】副回線サービスはあくまでも 「もしも」の事態への備え |
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副回線サービスで提供される副回線は、メイン回線が使えなくなった場合の備えであり、普段使いを想定したものではありません。
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副回線サービスは、デュアルSIMを活用したサービスです。
1台のスマホで2つのSIMが利用できる機能のこと。
デュアルSIM対応のスマホなら、スマホ回線を利用するために必要なSIMが2つ利用でき、1台のスマホで2回線を利用できます。
デュアルSIMについて、詳しくは「デュアルSIMとは?活用方法とメリット・注意点を紹介」でご確認ください。
1台のスマホで2回線を使えるデュアルSIMを活用することで、
の両方が利用可能となっているのです。
こうしたデュアルSIM対応のスマホでは、「設定」から回線の切り替えができるようになっており、主回線がつながらない時は、簡単な操作で副回線に切り替えて通信できます。
なお、ドコモの副回線サービスはeSIMでのみ提供されています。
eSIMについて、詳しくは「eSIMとは?メリット・デメリットや活用方法をわかりやすく解説」でご確認ください。
副回線サービスは、もしものときに備えられる心強いサービスではありますが、現在は利用できるキャリアが限られています。
今のところは、以下の3キャリアでのみ副回線サービスが提供されています。(2024年6月現在)
そのため、副回線サービスを利用するためには、この3キャリアのうちいずれかと契約している必要があります。
副回線サービスの概要が把握できたところで、どのようなシーンで役立つかをご紹介します。
副回線サービスは、主に以下のような場合に役立ちます。
副回線サービスが役立つ利用シーン |
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キャリアで契約している主回線で設備障害などのトラブルが発生した際も、副回線があれば回線を切り替えて通信が可能です。
今やスマホの通信・通話が生活に欠かせない場面は多く、短時間でも通信障害があると以下のような不便が想定されます。
副回線サービスがあれば、万が一通信障害があった際も、回線を切り替えて急場をしのぐことができます。
災害が発生した際は、安否確認のための通話が集中することやインフラの不具合が原因で、通話がつながりづらくなることがあります。
副回線もつながりにくい状況が発生することが想定されますが、回線の選択肢が2つになることで、より早く連絡が取れる可能性が高まります。家族と連絡が取れないリスクを少しでも軽減するために、副回線サービスがあるとあんしんです。
主回線がつながりにくい場所でも、副回線であれば安定して通信できる可能性があります。特定のキャリアの電波が届かない場所でも、別のキャリアであれば電波が届いているケースがあるためです。
副回線サービスの速度は最大300kbpsに限られるため、高速通信が必要な用途には不向きですが、「今すぐ大事な連絡に返信したい」「目的地への行き方をマップで調べたい」など特に緊急の際に役立ちます。
副回線サービスのメリットをまとめると、次のとおりです。
副回線サービスのメリット |
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それぞれ詳しく説明します。
副回線サービスがあれば、主回線がつながりにくいときに副回線に切り替えて通信できます。
副回線サービスが日常のなかで活躍する頻度は決して多くありませんが、「つながらなくなったらどうしよう…」という不安を軽減できるのは大きなメリットです。緊急時の通信・通話の手段として、副回線があるとあんしんしてスマホが使えます。
副回線サービスがあれば、災害・通信障害でも連絡が取りやすくなります。
スマホが家族や友人との重要な連絡手段であることを考えると、万が一の備えを考えておくのは大切なことです。
副回線があることで、利用者自身が困る機会が少なくなるのはもちろんですが、家族や友人に心配をかける機会も少なくできます。
通信障害や災害に備えた予備回線を持っておきたいなら、副回線サービスのほかに、他社で新規契約して回線を追加する方法もあります。
副回線サービスは、他社で回線を追加するのに比べると、比較的手間なく申し込みできるのもメリットです。他社で契約して回線を追加するのにハードルを感じる人も、副回線サービスであれば、契約中のキャリアで申し込みができます。
他社で回線を追加する方法と比較すると、契約窓口が1つで済むのもメリットです。
副回線サービスでは他社回線を予備で追加できますが、契約や料金の請求は今のキャリアにまとまります。契約の管理の手間が増えない点でも、気軽に利用することが可能です。
副回線サービスには、メリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
副回線サービスのデメリット |
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ひとつずつ説明します。
1つ目のデメリットは、機種変更等の際に、副回線サービスの解約が必要な場合もあることです。
これは、キャリアによっては、副回線サービス用のeSIMのプロファイル(通信に必要な契約者情報データ)を再発行することができないためです。
スマホに内蔵された本体一体型のSIMのこと。
プロファイルをスマホでダウンロードして、回線利用のための情報をeSIMに書き込むことで通信が可能になります。
eSIMについて、詳しくは「eSIMとは?メリット・デメリットや活用方法をわかりやすく解説」をご確認ください。
たとえばドコモでも、副回線サービス用のeSIMのプロファイルは再発行ができず、機種変更などにより副回線サービスを利用する端末が変更される場合には一度副回線サービスを解約し、再度申し込む必要があります。この場合、副回線の電話番号が変更になります。
再度副回線サービスを申し込むときには手数料がかかります。
ご注意事項・ご利用規約 | サービス・機能 | NTTドコモ(docomo.ne.jp)
なお、eSIMの設定方法や機種変更方法について、詳しくは下記の記事でも紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
「eSIMの設定方法(iPhone/Android)は?利用開始までの流れを解説」
「eSIMの機種変更方法は?申し込みの手順や注意点を解説」
2つ目のデメリットは、副回線利用時は普段の電話番号が使えないことです。
主回線と副回線それぞれに電話番号が割り当てられ、共通の電話番号は使用できません。
つまり、副回線から知人に電話をかけても、普段と電話番号が異なるため、誰からの着信かわからない可能性があります。
もしそれが理由で電話を取ってもらえないのでは、副回線がいざという時に役立たないということもあり得ます。
しかし、このデメリットは、頻繁に電話をかける相手や家族、親しい友人に副回線用の電話番号も知らせておくことで対処が可能です。
副回線サービスの利用を検討するにあたり、メリットやデメリットに加えて気になるのが利用料金です。
2024年6月現在の副回線サービスの利用料金は、以下のとおりです。
個人・法人共通 | 法人のみ | |
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基本利用料 | 429円(税込) | 550円(税込) |
利用可能データ量 | 0.5GB | 1.0GB |
通信速度 | 送受信時最大300kbps | 送受信時最大1Mbps |
国内通話料 | 22円(税込)/30秒 | |
国内SMS通信料 | 3.3円(税込)/1通 |
2024年6月現在では、この料金設定は各キャリア共通のものです。
個人利用なら、キャリアにかかわらず、月々429円の基本料金で副回線を利用できます。
提供される回線には、
という制限があります。前述のとおり、副回線サービスは「もしも」のときに備えるオプションサービスです。
毎月のスマホ料金に429円追加するだけで、回線がつながらない事態に備えられます。
副回線サービスのメリット・デメリットや料金についてご紹介しました。ここまで紹介した特徴を踏まえると、副回線サービスは以下のような人におすすめです。
副回線サービスはこんな人におすすめ |
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通信障害、電波障害に備えた予備の回線を持っておきたいという人に、副回線サービスはおすすめです。いざというときの備えとして副回線を持っておくと、毎日あんしんしてスマホが使えます。
なお、予備の回線を他社で契約して追加する方法と比較すると、副回線サービスは、契約や管理の手間が少ない点がメリットです。副回線をたくさん使う予定はなく、あくまで予備として追加しておきたいなら、副回線サービスがおすすめの選択肢になります。
ここまで読み進めて、普段使っている回線がつながらない場合に備えるために、副回線サービスを利用したいと考えている人も多いでしょう。
そこでここでは、現在ご契約中のキャリアで副回線を利用するための手順を以下の4ステップでご紹介します。
【副回線サービスを利用するための4ステップ】 | |
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STEP① | 使用中のスマホで副回線サービスを利用できるか確認する |
STEP② | 契約中のキャリアに副回線サービスを申し込む |
STEP③ | 副回線を開通させる |
STEP④ | 副回線に切り替える |
ステップごとに、何をするべきか具体的に見ていきましょう。
まず、副回線サービスを申し込む前に、今使っているスマホで副回線サービスを利用できるかどうか確認してください。
確認するポイントは、以下の2つです。
SIMロックがかかっていると、ご契約中のキャリアの回線しか使えず、副回線を利用できません。
事前に解除しておきましょう。
SIMロックの状態を確認する方法や、解除方法について、詳しくは「SIMロック解除とは?確認方法や申し込み方法をわかりやすく解説」でご確認ください。
お持ちのスマホで副回線サービスを利用できることが確認できたら、次のステップに進みましょう。
続いて、ご契約中のキャリアで副回線サービスの申し込みを行います。
以下のとおり、キャリアによって申し込みの手段が異なるため、注意してください。
ドコモ |
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KDDI/UQ mobile |
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ソフトバンク |
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Webや電話で申し込んだ場合は、後日SMSや書面でeSIMの設定情報(副回線を開通するための情報)が届きます。※
手元にeSIMの設定情報が届いたら、副回線の開通作業を行います。
ここでは参考までに、ドコモの副回線サービスでの開通手順を、iPhoneとAndroidそれぞれでご紹介します。
お持ちのスマホがiPhoneの場合、以下のとおり操作して、副回線を開通させます。
ここまでで、ひとまず副回線サービスの申し込み後に行うべき設定は完了です。
お持ちのスマホがAndroidの場合、以下のとおり操作して、副回線を開通させます。
これで、ひとまず副回線サービスの申し込み後に行うべき設定は完了です。
こちらで説明する切り替え手順は、主回線がつながらなくなった場合に必要となります。
ここでも、大まかな手順をiPhoneとAndroidに分けて説明しますね。
iPhoneの場合は、以下の手順で副回線を使ったデータ通信や音声通話が行えるようになります。
いざという時にスムーズに回線を切り替えられるように、何度か練習しておきましょう。
Androidの場合は、以下の手順で副回線を使ったデータ通信や音声通話が行えるようになります。
いざという時にスムーズに回線を切り替えられるように、何度か練習しておきましょう。
ドコモのモバイルサービス「ahamo」でも副回線サービスが利用できます。月額429円(税込)でKDDIの回線を副回線として追加することが可能です。
ahamoに乗り換えればシンプルワンプランで迷わずスマホが使えます。ahamoのメリットは、主に以下が挙げられます。
ahamoでは、基本の20GB(税込2,970円/月)に大盛りオプションで80GB(税込1,980円/月)を追加すると、毎月合計100GB使うことができます。比較的ライトな使い方であれば、100GBのデータ容量で無料のテザリング機能を活用して、自宅のWi-Fi代わりに使う選択肢もあるでしょう。
100GBでできることやテザリングの活用方法は下記の記事で紹介しているため、あわせてご覧ください。
「100GBあればどのくらい使える?用途別の目安やデータ利用量の確認方法を紹介」
「ahamo(アハモ)はWi-Fiの代わりになる?テザリングの活用法も紹介」
また、5分以内の国内通話は何度でも無料※3です。家族や友人とのちょっとした連絡は無料通話でカバーでき、通話料金の節約に貢献してくれます。
さらに、ahamoでは海外ローミングが無料※4※5※6で利用可能です。海外91の国・地域で海外ローミングが利用でき、日本人の渡航先約98%※7のエリアをカバーしています。海外ローミングをオンにするだけで、今のスマホをそのまま海外でも使用できるのは便利でしょう。
なお、対象事業者からahamoへの乗り換えでは、従来必要だったMNP予約番号が不要です。ahamo公式サイトから直接申し込みができます。
MNPやMNPワンストップについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
「MNPとは?乗り換え手順や10の注意点をわかりやすく解説!」
「MNP予約番号とは?取得方法や注意点をわかりやすく解説」
「MNPワンストップとは?乗り換えが簡単になるメリット・手順を解説」
ahamoのメリットや注意点、評判は下記の記事で紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
「ahamo(アハモ)のメリットと気になる点を比較!プラン・サービスの特徴を徹底解説」
「ahamo(アハモ)の注意点は?乗り換える前に知っておくべきポイントを紹介」
「ahamo(アハモ)は「めんどくさい/やめとけ」って本当?おすすめできるメリットとは」
「ahamo(アハモ)の評判は?口コミからわかるメリットや注意点も紹介」
「ahamo(アハモ)に乗り換えるタイミングはいつが良い?料金や手順も解説」
「ahamo(アハモ)は解約金・2年縛りなし!乗り換えの疑問や手順をわかりやすく解説」
副回線サービスがどのようなものかはおわかりになったでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
副回線サービスは、万が一の通信障害や災害に備えて、予備の回線を追加できるオプションサービスです。ドコモの副回線サービスでは、KDDIの回線が追加できます。
副回線サービスは、以下のようなシーンで非常に役立ちます。
副回線サービスが役立つ利用シーン |
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メリット・デメリットについては、以下のとおりです。
副回線サービスのメリット |
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副回線サービスのデメリット |
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副回線サービスはこんな人におすすめです。
副回線サービスはこんな人におすすめ |
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2024年6月現在の、副回線サービスの利用料金は、以下のとおりです。
個人・法人共通 | 法人のみ | |
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基本利用料 | 429円(税込) | 550円(税込) |
利用可能データ量 | 0.5GB | 1.0GB |
通信速度 | 送受信時最大300kbps | 送受信時最大1Mbps |
国内通話料 | 22円(税込)/30秒 | |
国内SMS通信料 | 3.3円(税込)/1通 |
ぜひ副回線サービスを利用して、スマホがつながらない事態に備えましょう。
■監修者情報
大岩 俊之(おおいわ としゆき)
家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。