親元を離れ、自分の夢と、
社会人としての責任 —生活費を稼ぎ、自立する—
の折り合いをつけながら前に進んでいく。
私もその一人だ。

けれど、やりたいことに全てのエネルギーを割けない自分に苛立ったり、時間を言い訳にしがちな自分に失望したり、もがいてばかりだ。

渋谷のスクランブル交差点に立つと、自分がどこに行ったら良いのか分からなくて途方に暮れてしまう。周りの人を見渡すと、皆自分が何をやるべきか、どこに向かうべきかちゃんと分かっていて、しっかりと地面に足をつけて立っているように見える。

——でもきっと実際は、そんなことなくて。
誰もが、前の見えない時代の中、それぞれの壁や困難に立ち向かいながら生きているのだろう。
夢を叶えつつある人。がむしゃらに頑張っている人。色々バランスを取りつつ現実的なやり方を選んでいる人。もしかしたら、夢があると言いつつ、毎日の生活を送るのに精一杯で動けていない人もいるかもしれない。

そんな彼ら・彼女らの声を聞いてみたいと思った。話してみたいと思った。2021年の渋谷で時を過ごしながら、何を夢見て、何を考え、何に葛藤しているのだろう。
同じように悩む私だからこそ、対話を通して色々な話を聞けるのではと信じる。語りかけ、耳を傾け、声をそっと掬い上げたい。